都心に集まる「東京の農業」~多くの人たちが訪れる「農」の拠点~(渋谷区・JA東京アグリパーク)

都心に集まる「東京の農業」~多くの人たちが訪れる「農」の拠点~(渋谷区・JA東京アグリパーク)

 新宿駅から徒歩4分ほどにあるJA東京アグリパーク(以下アグリパーク)。東京の真ん中にあるこの施設は東京中の農産物ひいては全国各地の農産物を発信する拠点となっています。会社員などの人通りが活発な甲州街道沿いにあり、色々な人たちが訪れるJA東京アグリパークではどの様な活動がされているのでしょうか。

ハイクオリティな「農」を発信していく

 元々は南新宿ビルというJA東京グループが所有するビルがあったのですが、数年前にビルの改装を行うことになりました。その際にビルの一階のフロアを「東京の農業」を発信していく場所にしていくという方針が決まったことが、JA東京アグリパークが設立されたきっかけです。

 アグリパークのコンセプトは4つあります。多様なイベントを通じて農業・農産物について「知っていただくこと」、食材セミナーやイベントなどを通じて農業を「体験していただくこと」、農産物を「買っていただくこと」、地域の食材を利用した料理を「食べていただくこと」の4点です。新宿という東京の真ん中に立地していること、すなわち都市部の消費者に近い立場にあることも、これらのコンセプトをより実現させやすくするでしょう。

 アグリパークでは年間で50回ほどイベントが開かれており、一日で訪れる人は900人以上に及びます。私が取材に訪れた日も、JA八王子が八王子産の農産物の販売をするイベントを催していました。印象的だったのがパッションフルーツの販売で、八王子でパッションフルーツが生産されていることを初めて知り少し驚きました。このように、イベントを通じて消費者の方々が東京の地域の「農」について手軽にかつ詳しく知ることができるのが、アグリパークの大きな特徴の一つです。

八王子産のパッションフルーツを使用した加工食品。どれも普段のスーパーなどでは中々見かけることのない品々です。

各地の農水産物も!

 東京のJAだけでなく、北は北海道、南は沖縄県まで全国各地のJAなど各種団体もアグリパークでイベントを催しています。それぞれのJAがイベントの主体運営となって、様々な方法で催します。例えば新潟県のJA十日町では、米どころであることを活かした新米フェアを催したり 、北海道のJAオホーツク網走が催したイベントでは流氷を持ってきたりするなど、地域性を活かしたユニークな内容が多いのが特徴です。また長崎県の壱岐でとれた海産物や、都内でも諸島部の大島や八丈島でとれた、くさやなどの水産物もイベントで販売することもあり、各地の海の幸を体験できることも特徴です。

 他にも東京都が奨励しているふるさと認証食品を販売したり 、西多摩地区の観光協会がPRしたりすることもあり、イベントの種類幅は多岐にわたっています。

JA十日町のイベント
JAオホーツク網走のイベント

訪れる人たちは十人十色

 アグリパークは人通りが多い通りに立地していることもあり、会社員や学生など様々な人たちが訪れます。焼き芋大会やイチゴのフェアといったイベントは近隣の学校に通う学生たちが訪れたり 、平日の夕方頃は会社員の人たちが訪れたりするなど、イベント内容や時間帯によって訪れる客層が異なっています。また、農業について勉強している都内の高校生も訪れることがあるそうです。訪れる人たちから寄せられる感想としては「野菜そのものの味が感じられた。もっと置いてほしい。」や「色々な都道府県の農産物を触れたい。」など好評な感想が多く、農産物に対する関心が高いことが伺えます。

東京産の農畜産物を手軽に探せる!

 アグリパークのホームページには「東京の農畜産物マッチング」というサービスがあります。このサービスでは都内各地域にある約50ヶ所のJA直売所で、どのような東京産の農畜産物が販売されているのか検索することができます。ユーザー数も増えつつあり、特に飲食店を営む方が東京産の食材を使った料理を提供する目的で利用することがよくあります。手軽にJA直売所を探し、新鮮な東京産の野菜などを手に入れることができますので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

JA直売所の検索以外にもJA直売所の特徴についての紹介や、実際にJA直売所に行った感想の紹介も見ることができます。

これからの農業で大切になってくること

 東京に住んでいる人たちでも東京で農業が行われていること、そもそも畑が東京に多く残っていることを知らない人たちが多いのが現状です。さらに都内農地の固定資産税の高さや生産緑地の解消に関する問題などがあります。日本の農業全体でみても食料自給率の低さなどの問題が山積しています。そのような中で、アグリパークは「農業に対して関心を持ってもらうこと」そして「消費者に応援してもらうこと」を念頭に、アグリパークの各種イベントやPR活動などを行う拠点となっています。「農業従事者と消費者を巻き込んだ活動」をもっと活性化させていくことがこれからの農業界をさらなる進展の原動力となるはずです。

JA東京アグリパーク プロフィール

住所:東京都渋谷区代々木2-10-12
アクセス:JR新宿駅南口より徒歩4~5分
電話番号:03-3370-3001
公式ホームページ:https://agripark.tokyo